Wardrobe

季節と日記

まんがかふたり

 今年の8月に三好銀さんが亡くなったのを知って茫然としていたのもつかの間、不幸な事故による小路啓之さんの訃報を聞いたのが今月のこと。

 ショックだね。

 物語の筋書きとは別のところで、なにげなしに描いた背景や道具やマクガフィンや小動物や通行人などさまざまな余剰のイラストが魅力的なオブジェとなる、とても稀有な才能のまんが家ふたりが亡くなってしまった。

 

 ここ2年くらい小路啓之さんの新作を追うことはなかったが、劇場で『秘密 The Top Secretを観ていた時、ふと小路啓之『ラブリー』という名短編を思い出していた。

『秘密』は、原作の漫画はともかくとして、ひどい映画だった。自分のセンスを賭けてひどいと断言したい。俳優の演技が迫力を増すにつれてシラジラと物語との距離感が生まれていくような、弱い映画だった。

 同じ「脳のデータベースを使って他者の記憶を見る」という装置が出てくるので、小路啓之『ラブリー』を思い出していた。こちらは短編にもかかわらず(映画とまんがを比べてもしょうがないけれど)一切無駄のない書きこみと展開力で読者を没入させ、マジで涙を抑えきれないラストに突き落とす、大傑作だと思う。

 映画を観ながら「あれをもう一度読みたいなー」と思っていた。

 大学のサークル室に置いておいたら、誰かにパクられていたのだ。

 小路啓之短編集の1か2のどっちかに入っていた。表紙が水色っぽいほうだ。

 検索したら、アマゾンだと「ラブリー」が表題作なので、そのまま出てくるようだ。

 ていうか中古品が1万円近くしてるじゃねえか。

 パクった野郎、返せよ。。。。。