君の名は

年末年始のお愛想行事も終わり、やっと自由な時間が持てたので映画に。

この世界の片隅に』が家から一番近い映画館でもやるようになったのだけれど、さすがに3回も見たので、もう1度とはならず。他にいまいちピンとくるのがなかったので、『君の名は』の2度目でも見るか。

 

夏に見て、以来になる。つーか、長くやってるな。

チケット買おうとして、映画館のポイントカードなくしたことに気づいて凹む。たぶん前に、券売機から排出されたのを取り忘れたんだろう。

 

この券売機がくせもので(便利だけど)、前も3D上映の高いチケットを、発券したのを取り忘れてて、いざ入場しようとした時に気づいて慌てるハメに。親切な人が受付に届けてくれてたから良かったけど。そういえば前にATMで下ろした金をそのままにして出てったこともあったな。すぐ引き返したら残ったまんまピーピー言ってた。

 

ブルーになりながら発券。1度目より楽しめました。

 

多分この数ヶ月でラノベとかそーいうエンタメっぽいものに多く触れてたので、楽しむ回路? みたいなものができたのか。1度目は、いかにもアニメっぽい大仰な喋りかたとか(アニメにしたら普通なんだろうけど)が気になったけど、今回はそれほどでもなく。ふつーによくできてるなあと感心。

 

目がチカチカするのは変わらないけど。解像度が高すぎるのかな。

そういう意味でも『この世界に〜』はあらゆる点で良かった。

でも、これ見て「恋したい」とはならないな。「神に会ってみたい」とは思うけどね。

家系のレベルにまで根拠がいっちゃうと、夢物語ってか神物語なんだな。

でも奥寺先輩がいいよね。

 

で、帰りにユニオンでセールやってたので、ブラックスモーカー関連を3枚。原雅明サンのMix手に入れて超期待! KBのMoscow Dubにも。

お・と・し・だ・ま(滝川クリステル)をくれる親戚がいたからな。働いてないって最高だね。

虫と水と雨

Killer Bong の新作CD-R「虫と水と雨」が今週届いた。

 

「虫の音のBPMを落としてベースにしたり、虫の音をキーをあげてスネアにしたりと」

 

らしい。サンプルマニアKB。やっぱすげーや。

 

ヒップホップ? アンビエント? ミュージック・コンクレート?

 

とかそーいうの、もう深く考えないけど、まあ全部だろうな。

ほの見える(MPCの)手つきは完全にKBで、リズムが楽しい、、、

 

アルバムタイトルが日本語ってところがすでにそうだけど。KBの中でも異色かも。ブラックスモーカーのエクスペリメンタル・シリーズよりも、実験的に聴こえる。

こんな風に、標本を集めてる時点で、その行動だけで、KBが最強のミュージシャンだって気がしちゃう。亀の竪琴を使った、ギリシャ神話の神もいたっけな。全国でツアーしてた、日記のようなもの?

 

この調子で、いろんなアニマルや天候、季節をサンプルしてってくれたら嬉しい。

他人のフィールドレコーディングにすごく興味がある。

 

最近の嗜好は一月ごとに変わるかのようだ。

先月は異常な速度でラノベまがいのエンタメ小説を読み捨ててたけど、今は俳句と和歌を古書でディグる日々。

ずっと前になぜか富澤赤黄男という俳人は知ってて、カマしてる句ばかりで、好きだった。それで身近なひとが俳句とか作ってるの見てから、もっと自分も、と思った次第。

 

<蝶墜ちて大音響の結氷期

<黄昏の象きて冬の壁となる>

<大地いましづかに揺れよ 油蟬>

(赤黄男)

 

自分でも小さいメモ帳を持ち歩いて、日記みたく、俳句や和歌を残すようにして。

俳句にしろ和歌にしろ、なるべく、人間が書いたとは思えないような言葉を置いてやりたい。耳だけじゃなく全身澄まして。

和歌や俳句は、無名でも、やばい人が多くて、やばいよ。

 

バレーボールしたら異常に息上がったけれど頭がすっきりした。

 

腕時計買いてえ。

最近の日記

先月は、外出したら寒すぎてセーターを買ってしまったとか、『この世界の片隅に』を何回も見てしまったとかで、金がなく、CDを売りに行った。去年、場所を取りすぎるからプラケースを捨てて薄いソフトケースに入れ替えたんだけど、あのままにしときゃもっと売れたのに……。金が、とかの前に、物多いの嫌になってきた。中身知ったものを全部手放していきたい。大事なものだけに囲まれてる方が健全なんじゃないかとか。

 

26枚売って、1万円くらい。

 

バイト代入ったから明日は髪切って映画ももっかい見て……とか思ってるうちに、CD買っちゃった(は?)。

 

Appleミュージックってほんとすごい。

 

日本のレーベルはあまりないんだけどそれはどうでもよくて、海外のエレクトロニカ近辺の先鋭的なやつ、何探してもある。人によってはブツを手に入れずに聴き放題で聴くなんて……とか言うかもしれないけど、こういう電子的な音楽はむしろストリーミングで聞いた方が気分出ると思う。針なんか落とさずに、ブラックボックスのラップトップの中からイヤホンごしに電信された方がいい。身軽に。明日になったら忘れてすぐ次の聴くみたいな。サウンドクラウドもそうだけど。

 

今日買ったのはBlacksmokerを3枚。Appleにはないので。

 

今年はKiller BongのBrooklyn Dub聴いてからだいぶ耳の向け方変わったと思う。

 

あとラノベ書いた。で適当な賞に応募して。

ラノベたぶん10冊も読んでないしアニメも全然見ないから無視されるだろうけど。脊椎任せに文章書くのは趣味として気持ちいい。孤独であれど。

 

LOLっていうゲームもインストールだけして。ニューエイジ・ライフ。これからチュートリアルやろうか。眠いけど。むしろ眠りながらゲームしたい。音楽聴きながらとか。半分瞑想しながら。でも対人戦らしいから怒られるんだろうな。

 

11月は文学フリマ友達と出たけど目に止まるまでの距離ね。それラノベも一緒。

まんがか ふたり

今年の8月、三好銀さんが亡くなってしまったのを知って茫然としていたのもつかのま、不幸な事故による小路啓之さんの訃報を聞いたのが今月のこと。

ショックだ。

物語の筋書きとは別のところで、なにげなしに描いた背景や、道具や、マクガフィンや小動物や通行人などさまざまな余剰のイラストが、魅力的なオブジェとなっていく、とても稀有な才能だったと思う。

 

海辺へ行く道 夏 (ビームコミックス)

 

かげふみさん (1) (バーズコミックス)

 

ここ2年くらい小路啓之さんの新作を追うことはなかったけど、映画館で『秘密 The Top Secret』をなぜか観ていたとき、ふと『ラブリー』という短編を思い出した。

 

小路啓之作品集 2 Lovely (バーズコミックス スペシャル)

 

『秘密』は、原作の漫画のことはあまり知らないけど、残念なことに、ひどい映画だった。自分のセンスを賭けて、ひどいと断言したい。俳優の演技がせっかく迫力を増すにつれて、シラジラと物語との距離感が生まれていくような、弱さがあった。

たくさんの金をかけて、能力のあるひとたちが集まって、どうしてこういう出来になるのか、ほんとうにわからない。たぶん誰かが悪いわけではなく構造の問題なんだろう。

 

秘密 THE TOP SECRET

 

「脳のデータベースを使って他者の記憶を見る」という装置が出てくるので、小路啓之の『ラブリー』を思い出した。こちらは短編にもかかわらず(映画とまんがを比べてもしょうがないけれど)一切無駄のない書きこみと展開力で読者を没入させ、マジで涙を抑えきれないラストに突き落とす、傑作だと思う。

 

映画を観ながら「あれをもう一度読みたいなー」と思っていた。

2016.10.15の日記

寒すぎて、穴が開いて外に着ていけなくなった灰色のカーディガンをはおってスリッパまで履いていたというのに、昼間から猛烈に暑くなってきた。

洗濯物を取りこんでいると太陽がじりじり肌を焦がす。干すときには巣から落ちそうになってた蜘蛛がベランダの外に新しい巣を張ってた。

 

5時間くらい掃除。漫画と雑誌を紐で縛って、いつでも捨てられるように。

 

古本ばかり買っているから値札をはがすのも面倒だし、売ったところで二束三文だからもういい。もったいないとか欲しい人にあげるとかいってるうちに繁殖するし。

最近買った、くらいに思ってた本がありえん深さから出てきたり。

積み上げた「資源ごみ/古紙」が一山いくらかなんて計算することは絶対になく。

比較的キレイなのは古本屋に持っていってもいいけど。消滅して別のパルプ材に変わるのなら万物流転の類の感慨も。

 

45Lのゴミ袋いっぱいまで細々したものを捨てたら少しはすっきりしたけど、まだ収納から飛び出た本やらCDが机と段ボール箱の上を占拠している。

 

無印良品の売り場、POPEYEとかに出てくる無闇やたらにクリーンな部屋、そういうのに憧れるというか、整った部屋で過ごしていたら不思議と人間変わるんじゃないかって憧れみたいな。畳数とものの数から言って無理だけど。

 

サンマルクカフェへ行った。

 

ちょっと店内を見渡してみると、1人で喫茶店にきてる人が意外と少ないことに気づく。

次にどこに遊びに行くか話し合っている女子高生らしき2人組、やたらと親族の悪口を言い合っている年配の親子、太り気味の外国人を中心に奇妙な距離感で世間話をしている年代も国籍もばらばらの4人組。

いつだって時間を持て余したひとが喫茶店を訪れる。RPGの酒場にいるNPCのように、宙ぶらりんなことを考えたりとりとめないことを話したりしてるに違いない。誰だって誰かにとってのNPCだから、俺は知らない人に話しかけられてもなるべく小粋に応えたいと思っている。最近呼びかけられるのはほとんど「火ィ貸してくれませんか」ばかりだけど。

 

自分の喫茶店を開いたら、オリジナルのジンジャーエールを作りたい。それかハッカを混ぜた爽やかなソーダ水。コーヒーは舌触りよりも香りに重きを置きたい。夜だけは酒を出してもいい。

 

フードメニューはチリと、トマトを挟んだサンド、ランチメニューだけカレーがあれば十分。3品極めるだけなら1年でたどり着けるんじゃないか。

 

音楽は午前中にはニック・ドレイクやティム・バックリーあたりの朝焼けを感じるアシッド・フォーク、午後からはオーネット・コールマンとかの冬を感じさせるジャズを流したい。

どこから読んでもいいような詩集や句集と、1冊で完結するマンガを数冊置いて。

カフェラテ色のベージュに染めたキャップと、半袖Tシャツ、長袖Tシャツだけを少数作成し、インターネットでも販売する。

3回目に来てくれた常連客には、何も言わずアーモンドとキャンディを飲み物に添えて置く。窓ガラスはあえて曇らせたままにする。

トイレにはオーストラリア土産のよく意味のわからないオブジェを1つだけ置いておく。

店のTwitterにはその日の短い日記や、店のある街並みについて書く。

アルバイトには年齢のわりに妙に落ち着いた大学生を1人雇う。

店に入るドアの前には、大きすぎないブラックボードにメニューを貼り、イラストを描く。ドアの前は箒をかける。ふとしたときに季節の移ろいを感じる仕組み。客が入らなかったら、カウンターの中で別の仕事をする。

店の名前はまだ決めない。実際に開くときにじっくりと決めよう。

帰りに通り過ぎたユニクロで異常なほど行列ができてて二度見した。

ニットとか安すぎるもんな。

 

ところで2014に出たKiller Bongの“Brooklyn Dub”を聴きまくっている……。

Killer Bong a.k.a K-Bomb a.k.a 無数の名前……の、このネオCityのジプシーブラッククリエーターはどす黒くて底知れない魅力を充満させている。いまさら俺が紹介するまでもない。

さまざまな変名を使って音源を生成しまくるKBは、ヒップホップ、ダブ、ジャズ、サイケ等々のフリー・イズムをちゃんぽんして煮込んだカレー。名前もそうだけど自分の“スタイル”に固まらずアメーバ状に変異する音の峰不二子

2006年のTOKYO DUBも相当良かったけれど10年代入ったくらいからのKBの叙情性というかさらに寒ーい深ーいところに沈んでゆくサウンドが。

KBに限らずサンプラーやラップトップによる編集音楽が音のデザインを性急に書き換えてゆくさまが。

Tokyo Dub

Tokyo Dub

 

 

電気消して風呂に入るの超好き。給湯器の穏やかなランプだけぼんやりついてて。俺たち街灯に慣れすぎてるけど普段してることを電気消してやるとやっぱり夜がしがみついてくるからね。

昔の人が妖怪とか鬼とか怨霊とか信じてたのはマジだ。

夜にしがみつかれると本当に想像力が暴走していくから。

今の俺たちには逃げこめる光があるけど。

岩手の夜、山道を迷いながらじわじわ日が暮れていった時間は、ひんやりした。

 

そういえば傘をなくしてしまったので次はどんな傘を買おうか。折りたたみのほうが置き場所に困らないとは思う。

テキトーに買うビニール傘ではなく、イカしたデザインの長傘に憧れる気持ちもあるけど。傘泥棒だらけのこの街で? どうせまた忘れるし。

FRAPBOISのビニール傘を買うか迷ったこともあるけど今思えば買わなくて全然よかったな。

 

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

 

それにしてもポエティックな文が好きだ。ガラス瓶に入れて海に流す断片や、インターネットで闇雲に書き散らすテキストに似ている。虚空にむけて投げているから。

「あなた」や「あなたたち」に向けた言葉にはコミュニケーションが生まれてしまって、詩情は邪魔になる。情報や意思疏通を前提としない言葉、人間味や感情から(半歩くらい)離れて言葉が言葉のままおどりをおどるのが詩だと思っているから。

日記はその線引きの真上で、ひらひらと不安定に舞っている。

 

靴はなるべく重いほうが好きだ。

 

LINEで送られてくる渓谷、大景色、山小屋の写真をスワイプして眺めながら、滋養に満ち足りた山岳の空気を想像してみる。